百円ぐらいと思われたくないけれどの詳細

百円ぐらいと思われたくないけれど

" 同僚のJ美はいつも会社にお金を持ってきません。お財布は持ってくるのですが三百円しか入っていないのです。
 会社での昼食はいつもコンビニへ買いに行くのですが、私についてきて必ずと言っていいほどお金が足りないと言って私に借ります。最初の頃は五円とか十円だったので、「返さなくていいよ」と言っていました。けれども、二週間に一度が一週間に一度、五日に一度、三日に一度と間隔が狭くなって、終いには毎日になるといい加減うんざりしました。
 五円や十円だったのも次第に百円や二百円をちょこちょこと借りていくようになりました。「ごめんね、今度返すね」と言ってくれるのですが、二百円借りると五十円返すといった感じで、誠意はあるけど返したくないのかなと思いました。私も断ればいいのでしょうが、百円ぐらいを貸したくないと言いづらいし、j美も商品を買う前に借りるのではなく、コンビニのレジで合計金額が出てから「sさん、百円借りていいですか」と大きい声で私を呼ぶので、仕様が無く足りない金額を出すのです。
 何とか断る方法を考えていたのですが思いつかづ、小銭を貸す日々が半年ほど続いたのですが、ある日を境にj美とは距離を置き、昼食も弁当を持参してコンビニに行くのを止めました。
 初夏に入って、「返してね」と千円札一枚を貸すことが五回ほどあり、六回目には「本当に金欠なの」と私に何度も頭を下げてお願いしてきたので、「必ず返してよ」と言って千円貸しました。しかし、その日の三時の小休憩時間に私はその千円を使うJ美を見てしまったのです。
 j美が同僚の男子三人に、「私がおごるね」と言って自動販売機に千円を入れていました。
「悪いね、後で返すよ」と言われて「いいよ、これくらい。いつもお世話になってるから」と笑顔を振りまくj美。
 私は、おいおい、お世話になってるのはこっちだろう?と詰め寄ってやろうかと思いました。
 その後、私に距離を置かれたj美は昼食代をどうしていたか分かりません。
 しばらくしてj美は会社内で二股交際がばれて居づらくなり退社しました。
 j美は私の携帯番号もメールアドレスも知っていますが連絡はありません。 
 合計六千円とちょこちょこ貸していたお金は返してもらっていません。
 返ってくるとは思っていませんが。
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